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2023.02.22
凸レンズにSDレンズ2枚と高屈折率EDレンズ1枚、凹レンズには高性能ランタン系ガラスを採用した光学設計により、従来品VSD100F3.8 を上回る高レベルな収差補正を実現。
写野中心から、35㎜判フルサイズの最周辺に至るまで、シャープで美しく均一な星像を得られます。さらに広い視野での星空観察から高倍率での惑星観察まで、眼視観望でも高い性能を発揮するフォトビジュアル鏡筒です。
撮影:竹内修一氏
VSD90SS鏡筒は、軸上色収差と非点収差を重点的に補正することを念頭に置いて光学設計しました。
凸レンズにSDレンズ2枚、高屈折率EDレンズ1枚を使用し、かつ凹レンズに新開発の高性能ランタン系ガラスを採用しています。特にSDレンズ2枚(ほぼ同径)を使用した点は、新たな試みです。
これにより、フォーカスやスケアリングのズレによる星像の色味の変化と星像の崩れを極めて高いレベルで押さえ、結像・周辺像ともにVSD100F3.8を上回る性能を得られました。
撮影時から画像処理まで、一貫して使いやすく安定した撮影結果が期待できます。
■光学性能スポットシミュレーション(VSD100F3.8 との比較)
従来製品VSD100F3.8は、母体となったPENTAX100SDUFⅡより受け継いだヘリコイドフォーカサーを採用することで後群のレンズ径に制約がありました。
VSD90SS鏡筒ではその制約を排除するため、フォーカサー部をラック&ピニオンに変更し、後群のレンズを大口径化しています。
これにより、VSD100F3.8よりも周辺減光が大幅改善。また口径食を低減し光学系(※)によるケラレがほぼ無く、光の回折により生じる輝星の非軸対称フレアも防いでいます。
口径食が少なく周辺光量が豊富なことは、写野周辺部で豊富な諧調を維持するとともに、画像処理時において周辺減光補正を容易にする効果も期待できます。
※撮影システムによっては、カメラボディやカメラマウント等によるケラレが発生する場合があります。
■VSD100F3.8 と断面比較
■周辺減光(VSD100F3.8 との比較)
●VSD90SSは最周辺でカメラマウント、またはフィルターホイールによるケラレ以外の光量低下はほとんど見られない。
●VSD100F3.8は最周辺でも70%前後の光量は確保できているが、画面中心付近から口径食による光量低下が見られる。
低倍率かつ広視野での観望においては、像面が非常にフラットで、良質な接眼レンズと組み合わせることにより、シャープな像が視野全体に広がります。
さらに視野中心は、多波長ストレール強度96.7%を誇ります。高性能アポクロマートとして定評いただいているSD81SⅡの95.7%を上回る結像性能を持つため、惑星などの高倍率観望にも適しています。
ファインダー台座のほか、薄型アタッチメントプレート規格対応の
■作例による分析
(1)VSD90SS
(2)VSD90SS+レデューサーV0.79x
●カメラ:ペンタックスK-1/ZWO ASI6200MM Pro(2"フィルターホイール使用)
仕 様 | |
■鏡筒部 | |
対物レンズ形式 | 5群5枚 SDアポクロマート、ASコーティング |
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有効径(D) | 90㎜ |
焦点距離(F) | 495mm(F5.5) |
集光力 | 肉眼の165倍 |
分解能 | 1.29秒 |
極限等級 | 11.5等 |
イメージサークル | Φ60㎜(ラージフォーマット44×33mmをカバー、最周辺光量約90%以上) |
対物側フィルター取付け | 取付け可(95㎜) |
■接眼部 | |
形式 | ラック&ピニオン |
ドローチューブ外径 | Φ87.5㎜ |
ネジ込み | M84P1 / M60P0.75 / M42P0.75(Tリング用ネジ) |
差し込み | 60.2㎜ / 50.8㎜ / 31.7㎜ |
フィルター取付け | 取付け可(58㎜) |
■サイズ・重さ | |
鏡筒長 | 約597㎜(※フード折返し時 約403㎜) |
鏡筒径 | Φ115㎜ |
サイズ・重量 | 約4.3㎏ |
※製品発売時には仕様が異なる場合があります。