ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー
特設ページ
2017.09.28
宝石はいつの時代も女性にとって身近でありながら憧れの存在。夢を叶えるお守りや装飾品として、いにしえの時代より人々の暮らしとともにありました。そんな宝石が、実は何の変哲もない日本の川原でもみつかるのです。今回はビクセンのルーペを持って、奈良県の室生川で宝探しと美しい鉱物鑑賞の魅力を体験してきました。
今回目的の鉱物は、透き通るワインレッドの輝きに、奥深い魅力を感じる人気の宝石「ガーネット」。日本では、ぽっかりと口を開けたザクロからのぞく深みのある赤い粒に色味が似ていることから「ザクロ石」と言います。
今回、宝探しに協力してくれたのは、水辺で見つかる鉱物の説明や、日本でも採集できる場所を紹介した「ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑」、「ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑2」著者の自然環境オフィス所長 柴山 元彦さん。
大学時代に地質学を専攻し、宝石を探す面白さに目覚めたそう。高校で地学を教え、現在は執筆活動の他、博物館や文化センター講座の講師として国内外で活躍中です。
今回は柴山さんのオススメで奈良県 室生川にガーネットを探しに来ました。
川辺での宝探しファッションは、川辺なので日焼けや熱中症防止に長袖や帽子を着用し、足元は動きやすいスニーカーなどにしましょう。川の増水、天候の急変にも注意してください。
宝探しは皿状の「パン」を使って、ガーネットと不要な石や砂を選り分ける「パンニング」という手法で行います。「パンニング」に必要な道具はなんと!すべて100円ショップで揃うのです。大きな砂利を取り除く、園芸用のふるいとプラスチック製の鉢皿。そして、金属製のスコップ。しめて300円!!「300円で宝石がゲットできるなんて…本当ですか先生!?」「本当です!」
早速ガーネットを探していきます!
川の流れが大きくカーブを描いている場所で、さらに大きな石のそばが鉱脈です。砂がたまっているところを見極めて掘ってみましょう。
すくった土を植木鉢の受皿の上に置いたふるいにいれ、不要な大きな石を取り除きます。その残った砂から宝探しがスタートです!
砂の入った受皿に水を入れて回し、不要な小石や砂を遠心力で飛ばします。すると目当ての鉱物だけが残ります。この採取方法が「パンニング」です。
柴山さん「ガーネットは砂より比重が重いので、クルクルまわすうちに重さの違いで砂は上へ、ガーネットは下に沈んで自然に選り分けられていきます。」回しては回しては不要な砂を捨て、繰り返すうちにガーネットがついに現れました!
宝石観察におすすめのルーペは「メタルホルダールーペM20S」。コンパクトなのに、見口の広く、小さな鉱物の表情がよくわかります。
小さいながらも倍率は10倍。携帯性がよくストラップも取り付けられます。小さな鉱物の観察にピッタリなルーペです。
見つけた宝石のサイズを図るなら「シマミルーペ」もおすすめです。コンパクトな折りたたみ式のルーペなので、スマートフォンでの撮影も簡単にできます。
もっと倍率をあげて、鉱物の小さな宇宙をじっくりと楽しめるのは、双眼タイプの実体顕微鏡「ミクロボーイ」。覗き込むとそこは別世界!ちいさな鉱物に含まれるインクリュージョンまで楽しめます。
拡大されたガーネットは含まれる鉄分の違いで、色合いもこんなに違います。薄いピンクから濃いピンク。透明感のある粒と濁ったような粒。こんな違いがわかるのも顕微鏡ならでは。
「ミクロボーイ」は野外の観察にも気軽に使えるように、キャリングケースも付属しています。
鉱脈をざくざく。余分な小石をじゃらじゃら。パンニング皿を水の中でクルックルッ!この単純な作業がやってみると、とても楽しい…!夢中になりすぎて、気づけばスニーカーのまま川に入ってしまう始末。パンの中に陽光に赤くきらめいたガーネットが現れた瞬間は、未知の惑星を探しだしたような気分になりました!
こうやって黙々と作業を続けると、なぜこの場所にガーネットがあるの?と色々な興味が沸いてきます。 この小さな小さな宝石が鉱物や地質学、「地球」という惑星そのものへの興味を深め広げてくれます。
川原に転がっている、何の変哲もない石にも注目してみました。ルーペでのぞいてみると、ここにも小さな宇宙が広がっているのです。
石英質の白い石の中に、透き通った結晶が見えます。氷のように涼しげな世界を川原の石に見つけることができました。
花崗岩の中に黒い模様があります。ルーペで観察してみると、黒雲母の結晶が集まっていました。黒雲母はガラスの様な光沢のある薄い層の結晶で、幾重にも重なる様子がわかります。
夢中!集中!の結果…、こんなにたくさんのガーネットが採れました。太陽の光に当たると石も赤く輝き、キラッキラッ!
パンニングをしていると、ある瞬間、パンニング皿の中の石がぱっと赤い色に変わります。それは、余分な砂や小石が少なくなって、皿の底に残ったガーネットが見えてきたときです。まるで、宝物を発見した様な気分になり、またその瞬間を味わいたくて、時間を忘れて没頭してしまいました。「大粒のガーネットが出てくるかもしれない」という淡い期待も何%か・・・。
地球は岩石とマグマの惑星。この星の火山が作り出した鉱物は宝石となって、女性には欠かせないジュエリーなどに生まれ変わっています。
このような宝探しが出来る川原が全国にはいくつもあります。ビクセンのルーペを持って、身近な場所で美しい鉱物鑑賞をはじめてみませんか。