2024年 ポンス-ブルックス彗星&紫金山・アトラス彗星 特設ページ
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このページでは2024年に地球へ近づく2つの彗星の観測方法やしくみと楽しみかたをご紹介します。
春にやってくるポンス-ブルックス彗星(12P)と秋にやってくる紫金山・アトラス彗星。
特に紫金山・アトラス彗星は二度と会えないので、この機会に2つの彗星を楽しみましょう!
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ポンス-ブルックス彗星(12P)(Pons-Brooks (12P))は、1812年7月にフランスの天文学者ジャン=ルイ・ポンによって発見された彗星です。
その後彗星は長らく姿を消していましたが、およそ71年後の1883年にアメリカの天文学者ウィリアム・ブルックスによって再発見されました。
再発見の時期からもわかるように、ポンス-ブルックス彗星は約71年に一度の周期で地球付近を通過します。明るく観測に期待の彗星として注目されているのです。
3月~4月にかけて観測ができるかもしれないと期待されていますが、アメリカではさらに期待が高まっています。
4月8日(日本では9日の日の出前)に北アメリカ大陸のほぼ全域で皆既日食が起こるからです。
皆既日食と彗星が同時に空に現れ、空前の天体ショーが見られるかもしれません。
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紫金山・アトラス彗星(C/2023A3)は、2023年に中国の紫金山天文台と南アフリカにあるATRAS望遠鏡で発見された彗星です。
彗星の名前はこの2つの観測所の名前から付けられました。
通常の彗星では地球から観測できないほど、太陽からとても離れた遠いところ(木星の軌道よりも外側)で発見されたことから、大きな彗星であることが期待されているそうです。
この彗星が注目されているのは、2024年9月から10月にかけて、私たちの肉眼でも見えるほど明るくなることが予想されているから。
紫金山・アトラス彗星(C/2023A3)は、非周期彗星のため再び私たちの近くにやってくることはありません。
一期一会の大彗星、これから出てくる情報に期待しましょう!
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彗星を思い浮かべたとき、多くの人は、流れ星と全く同じ光り輝く尾を思い浮かべるのではないでしょうか?
同じように思われがちな彗星と流れ星の尾も、実は全く違う方法でできています。
流れ星(流星)は大気圏に落ちてきた宇宙空間のチリの粒が、大気との衝突によって高温になり気化する一方で、気化したチリの成分が光を放つ現象です。ですので、その尾は目の残像やプラズマ等によるものと考えられます(尾がない流星も存在するそうです)。
彗星の場合、太陽に近づいたときに尾が発生するものが彗星と呼ばれます。
実は彗星の尾の向きには太陽の存在が大きくかかわっています。
観測する重要なポイントとなりますので彗星のしくみをじっくりとひも解いてみましょう。
冷たい宇宙を高速で移動する彗星の核は様々な成分でできていますが、基本的に“汚れた雪玉”のようなものです。実はこの“汚れた雪玉”こそが、彗星の尾になる材料です。
いつもは凍った状態で移動している彗星ですが、太陽に近づくと2つの変化が起こりはじめます。
太陽の光圧(熱放射)や太陽風によって暖められると彗星の核は蒸発をはじめ、ガスやチリ(ダスト)を含むコマと呼ばれる雲をつくります。この雲から発せられるチリ(ダスト)が光圧により太陽とは反対側に押し出され、そのチリ(ダスト)が太陽光を反射して光って見えるものが尾となります。
またガスは太陽風を受けるとイオン化され、太陽とは反対側に光るプラズマの尾(イオンの尾)を作ります。
彗星は色や形のちがう2本の尾ができるのです。
このように太陽の熱放射によって光りだす彗星は、尾の材料となるガスとチリ(ダスト)が豊富に残っている場合、太陽に近づけば近づくほどに光が強くなります。
一瞬の軌道を描く流れ星と、長時間にわたり現れる彗星の尾はまったく違うものだとわかります。
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![彗星がどこに向かっているかは見た目ではわからない?](./assets/sub-06.jpg)
この画像を見ると、彗星から伸びる尾は、流れ星のように進行方向の反対側へ出ているように感じますよね??
これも彗星の尾と流れ星の尾の大きな違いです。
実はこの尾の方向と彗星の軌道の方向とは関係がなく、尾は太陽がある位置から逆の方向に伸びています。
彗星はかならず太陽の反対方向へ尾を伸ばします。黄色く見えるチリ(ダスト)の尾は流されるように曲がって見えることもありますが、青く光るプラズマの光の尾は直線となります。
太陽からの影響が大きく、近づけば近づくほどに彗星は蒸発が進むためどんどん光り輝くことになっていくのです。
つまり、一番いい条件で見るためには太陽の一番近いところ(近日点)にいる彗星を見ればよいのです!
簡単そうですがそうはいかない事情があります。
そう、太陽はとてもとても明るく、彗星が発する光は太陽光に負けて私たちには見えません。地球が太陽を向いている時、地球が太陽に向きを向いている=昼間に彗星を見ることはできないと言ってよいでしょう。
なるべく太陽の近くに彗星がいて、地球上の自分たちが太陽の方向を向かない時です。
つまり、日没直後の夕暮れ時と明け方の地平線近くを見ればよいのです。
ポンス-ブルックス彗星
(12P)
紫金山・アトラス彗星
(C/2023 A3)
観測ができる期間
2月下旬~4月中旬ごろ
9月中旬~11月初旬ごろ
近日点
2024年4月20日(21日)
2024年9月27日(28日)
見えやすい時期
4月初旬(西の空)
10月中旬(西の空)
時間帯
夕方(1時間ほど)
- 10月初旬・明け方
- 10月中旬・夕方(1時間ほど)
ポンス-ブルックス彗星
(12P)
観測ができる期間
2月下旬~4月中旬ごろ
近日点
2024年4月20日(21日)
見えやすい時期
4月初旬(西の空)
時間帯
夕方(1時間ほど)
紫金山・アトラス彗星
(C/2023 A3)
観測ができる期間
9月中旬~11月初旬ごろ
近日点
2024年9月27日(28日)
見えやすい時期
10月中旬(西の空)
時間帯
- 10月初旬・明け方
- 10月中旬・夕方(1時間ほど)
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Comet Book コメットブック
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Comet Book
コメットブック
眺める空の方向をアプリで確認しましょう。
見たい彗星を選んで観測する日時を決めればその場で方向が表示されます!あとは星空を眺めるだけです!
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天体望遠鏡でしっかり見てみよう
天体望遠鏡 ポルタII A80Mf
彗星をしっかりと見るならやっぱり天体望遠鏡!
初心者からベテランまで、使いやすい天体望遠鏡を紹介します。
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難易度の高い天体や星雲・星団までスマートフォンとの連携でらくらく観測
CELESTRON 天体望遠鏡
StarSense Explorer LT 80AZ
望遠鏡を覗かずにゲーム感覚で彗星を見つけよう!
StarSense Explorerアプリを使えば見たい星空を正確にナビゲートしてくれます。
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StarSense Explorer
スターセンスエクスプローラー
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StarSense Explorer
スターセンスエクスプローラー
セレストロン製天体望遠鏡 StarSense Explorerシリーズをお持ちであれば、スマホ画面に表れる矢印に従って鏡筒を手動で動かし、彗星をすぐに見つけることができます!
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色にじみを抑えシャープな描写を実現するEDレンズ
双眼鏡 APEX J HR8×42WP
42mmの大きな口径で明るく、高品質レンズでクリアで高解像な視界を実現しています。
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双眼鏡でじっくり見てみよう
双眼鏡 アトレックライトII BR6×30WP
明るく広い視野で夜空に輝く彗星を手軽に観察できます。
お子さまの眼幅にも合わせやすく、初めての本格双眼鏡におすすめ。
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スターウォッチングに適した明るさ
双眼鏡 アスコット ZR7×50WP
防水を含めアウトドアユースが考慮されたスタンダード双眼鏡です。
アスコットシリーズのなかで最大の明るさを誇ります。
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カメラで撮ってみよう
ポータブル赤道儀 星空雲台ポラリエU
カメラで彗星を撮るならポータブル赤道儀を使ってみましょう。
彗星全体の撮影に最適です!
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天体望遠鏡でより本格的に観察・撮影してみよう
天体望遠鏡 SXD2WL-R200SS
赤道儀式の天体望遠鏡を使用すると、彗星を自動で導入・追尾するので。
ハイレベルな彗星の観察や撮影が可能に!
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本格望遠鏡で彗星・天体観測!
CELESTRON 天体望遠鏡 Astro Fi5 SCT
望遠鏡コントロールアプリSky Portalにより、彗星の位置へ自動で導いてくれます。
天体の知識や計算が不要で、見たい他の天体へも導いてくれます。
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Sky Portal
スカイポータル
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Sky Portal
スカイポータル
12万個以上の天体情報を登録済み!望遠鏡内蔵Wi-Fiとスマートフォンアプリが連携し、かんたん操作で観測をサポートしてくれます。
参照
公益社団法人日本天文学会「天文学辞典」
https://astro-dic.jp/
国立天文台「彗星」
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/comet.html
明石市立天文科学館「彗星きたる」
https://www.am12.jp/20240416-01/
AstroArts
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13251_ph240300
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