土星の環が盗まれる!? 怪盗Sからの予告状 真犯人を追跡せよ


当社へSと名乗る者から犯行予告と思われる郵便物が届いた。内容は次の通り。
世紀の大事件なのか、あるいはただのいたずらなのか、受け取った時点での判別は難しく、当社調査部において捜査が開始された。
翌日の早朝、当社屋上にてまずは現在の土星の状態の確認が行われた。4:30、すでに空が明るくなり始めているが、天体望遠鏡の自動導入のおかげでなんとか土星を確認。



Astro Fi5 SCT
対物主鏡有効径
127mm
焦点距離
1,250mm
口径比
F9.8
スマートフォンのアプリにて見たい天体を選ぶだけで、自動でその天体の方向へ天体望遠鏡の向きを変えてくれる。
製品ページはこちら続いて調査部は、天文ファンと称するB氏の目撃証言を得た。

「土星の環ですか? すでに3月24日に一度消えましたよ。」
−えっ! それは本当ですか?
「知らないのも無理はないですよ。何しろこのときの土星は太陽とほとんど同じ方角にあったので、私たちが見ることはできなかったですから。土星の環は毎年傾きが変化して見えるんですよ。約30年の周期で同じ傾きになります。2025年の土星は地球からちょうど真横を見る状態になるので、厚みがとっても薄い環はまるでなくなったように見えるんですよ。」
−なるほど、そうでしたか。
「でも土星と太陽が同じ方向に見える「合」に近い時期、つまり今頃は、環の消失は1度しか起きないはずです。だから5月7日はそれは関係なさそうですねぇ。」
また別の天文ファンC氏からも聞き込みを行った。
「土星の環を盗むって? ははは。…でもやれるかもね。あれって円盤みたいに見えるけど、石とか氷とかが集まってグルグル土星の周りを回っているだけなんだよ。しかも時速6万とか8万kmとか信じられないスピードで。だからその動きを邪魔してしまえば、盗むこともできるんじゃないかな。ははは。」

調査部員Aが自宅にて土星の観察を行うとともに、目撃者B、Cの証言を考えてみた。



天文書の著者であるD氏に参考意見を伺いに来た。
「土星の環の見え方にはもちろん太陽が関係していますよ。」
−やはりそうですか!
「土星の自転軸はだいたい27°ぐらい傾いていてねぇ…」
(中略)
「環はとても薄いから、ちょうど真横から太陽光が当たると、環に対する日照はとても少なくなって地球からはほぼ見えなくなるんだよ。
5月7日はちょうどその日だね。」
−!!!

2:30
当社屋上に調査部員が集合し天体望遠鏡のセッティングを行う。
2:43
東の地平線から土星が昇り始める。
3:15
土星の環の確認作業に入る。
高度は約5°とかなり低い。
4:43の日の出まで時間がない。
急がねばならない。

「土星はどうだ!? 環は無事か?」
「見えません!」
「環がないと、なんだか、土星じゃないみたいだ。」
「んー、しかし明日以降の土星を見ないと、太陽のせいで一時的に見えないだけなのか、本当にSに盗まれたのか、わからないんじゃないか?」
「そうですね。まあ、これからだんだんと土星は観察しやすい時期に入りますから、明日以降も調査を続けましょう。」

NexStar Evolution8
対物主鏡有効径
203mm
焦点距離
2,000mm
口径比
F9.9
世界で高評価を得ているC8鏡筒を採用。
スマホのアプリで自動導入が可能なので、薄明の中の惑星を探すときなどに便利。
その後の調査によって、土星の環の復活が認められた。
9月21日の土星の衝※に向かって、昇り始める時刻が徐々に早まり、程よい時間に高度の高い土星が見られるようになっている。
土星が地球から見るとちょうど太陽と反対の方角にあって、深夜に真南に昇る。土星は日没頃に昇り始め、日の出頃に沈むので、観察できる時間も長い。

調査部員Aがつぶやいていると、記者Eが調査部に飛び込んできた。
「た、大変ですっ! 犯行予告がまた!!」
「なにっ!またか。」


SX2WL-VC200L
対物主鏡有効径
200mm
焦点距離
1,800mm
口径比
F9
大口径鏡筒で天体の撮影にも威力を発揮する。スマホでの操作も可能。
製品ページはこちらAstro Fi5 SCT

StarSense Explorer LT 80AZ

NexStar Evolution8

SX2WL-VC200L
