ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー
その美しさで人々に癒しを与えてくれる花々。でもただきれいなだけじゃない!
小さな構造には命をつなぐとっても“かしこい”しくみがあります。
今回は身近なオシロイバナをサンプルに、昆虫の気分になって観察をしてみましょう。
オシロイバナの1日は夕方から始まります。一見、花びらに見えるのはがくと呼ばれる器官。それが開いてくると、中にはまだ眠そうにカールした雌しべと雄しべが見えます。雄しべはまだ花粉を出していません。
やがて雌しべと雄しべがまっすぐに伸びてくると、雄しべの先には黄色いつぶつぶが。雄しべの先にある葯[やく]と呼ばれる部分から出てきた花粉です。オシロイバナは蛾[が]のように、主に夜間に活動する昆虫によって花粉が運ばれます。
夜中、雄しべから雌しべへと花粉が運ばれる(受粉)のを待ち、翌日の午前中には花がしぼんでしまうのですが、このときにおもしろいことが起きます。雌しべと雄しべがまたくるくるカールして、雄しべに残っている花粉を雌しべにくっつけてしまうのです。こうやって、もし昆虫がやってこなくても1つの花の中で受粉(自家受粉)して、子孫が残るようにするのです。
雌しべと雄しべはクルクルと巻いた状態で花が開いてきます。
花が開いた直後はまだ雄しべの葯[やく]から花粉は出ていません。
開花直後。つぶつぶして見えますが、これは花粉ではありません。
開花からしばらくするとピンと伸びてきて、花粉を出し始めました。黄色い粒が花粉。
● お手持ちのパソコンに接続して観察、画像保存も可能
● カメラ部分をスタンドから外して、手持ちで観察もOK
● 倍率:20〜200倍(19インチモニターで観察時)