ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー
2024年、そして来年以降、月へ飛び立つ探査機の話題がたくさん!
NASAの「アルテミス計画」、日本の「SLIM」、同じく日本の民間企業の「HAKUTO-R」。
今、月方面で何が起きているのか、ここで情報を整理しておこう。
そしてまさにホットな現場を自分の目で見ておこう!
アメリカ航空宇宙局(NASA)が主導する月面探査の国際プロジェクトで、日本も参加。2022年に第1号を打ち上げ、無事に帰還しました。
第1号 | 2022年成功 | 月を周回する無人の試験飛行 |
第2号 | 2025年9月予定 | 宇宙飛行士4名が搭乗して試験飛行。月面着陸はなし |
第3号 | 2026年9月予定 | 女性を含む宇宙飛行士が月の南極付近に着陸(女性初)。第3もしくは4号で日本人宇宙飛行士が搭乗する可能性も |
第4号 | 2028年9月予定 | 月を周回。月面着陸はなし |
第5号 | 2028年9月予定 | 月面車を月面で使用 |
※2028年以降は1年1回ペースで月面着陸を実施。第4〜6号では月軌道プラットフォームゲートウェイ(有人の宇宙ステーション)を建設。
第2号の打ち上げは2025年に予定されていて、有人の月探査は約50年ぶり。月の上空約1万kmを周回して、打ち上げの約10日後に地球に帰還します。このアルテミス計画では月面で水資源を見つけることも大きな目的の1つ。現在、月の南極付近に氷(水)がある?と予測されていて、第3号はこの南極付近に着陸する予定です。
SLIM[スリム]は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進めている、月面への着陸技術を実証する宇宙探査ミッション。その名の通り、小型で軽量な月着陸機ですが、精密な自律着陸技術を備え、
⚫従来の月探査機では数km〜十数km単位でしか着陸地を定められなかった精度を、100m単位に高める
⚫探査機を軽くすることによってコストを下げ、より高性能な装置を積んで頻繁に探査を行えるようにする
という目的のために開発されました。2023年9月に打ち上げ、今年1月20日、月面着陸に成功。その後、目標地点から約55m東に着陸し、100m精度のピンポイント着陸技術の実証は成功したと発表がありました。一方で搭載している太陽電池の向きは想定通りにならず、着地直後は発電されていませんでしたが、1月29日に太陽電池が発電し、地上と探査機の通信を確立、運用が再開されたと発表されました。
また日本の民間宇宙ベンチャー企業ispace[アイスペース]も、月面探査プログラム「HAKUTO-R」に取り組んでいます。2023年のミッション1では、月面着陸に失敗し落下してしまいましたが、今年、ミッション2の打ち上げを予定しています。
※本文は全て2024年1月現在の情報。この後、変更される可能性は大いにあります。
ずいぶんと近い存在となった月ですが、月旅行はまだ高嶺の花。そこで天体望遠鏡と想像力を使って、月面旅行に出掛けてみましょう。ページ上の画像を参考に。
1969年にアポロ11号が人類初の月面着陸を果たしたのは、静かの海の端の方。この海は盆地に地中の溶岩が大量に噴き出して、水面のように平らな地形が形成されたもの。直径は約870km。上弦(月齢7)〜満月の4日後(19)くらいに見るのがオススメ。
1月にSLIMが着陸したばかりのエリア。直径約330km。オススメは上弦1日前(月齢6)〜満月の4日後(19)。
直径93km、深さ3760m。月のクレーターの中ではそれほど大きくはないですが、地球では東京駅から富士山までが約100kmなので、それと比べると大きいですよね。中央にツノの様にそびえる山々は高さ1200mで、神奈川県の箱根山や鳥取県の大山山と同じくらい。オススメは上限の翌日から2、3日(月齢9前後)と下弦から2、3日(23前後)。
直径約85kmと小さめですが、四方八方に伸びるレイ(光条[こうじょう])がきれいで印象的。レイは月面に隕石など小天体がぶつかってクレーターができるときに、月面にあった物質が飛び散ってできたと考えられています。オススメは上弦過ぎ(月齢8)〜満月前(13)。
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●光学形式:反射式
●架台形式:経緯台
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●焦点距離:650mm