Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

夏休みの自由研究
大っきな星座黒板で夏の星をたどろう!

星座を見つける“いろは”とも言える、代表的な天体が並ぶ夏の夜空。
今年の夏はこれをマスターして、“星空ビギナー”ワンステップUPを目指そう!

画像_夏の大三角と天の川

<夏の大三角と天の川>
長野県 美ヶ原高原にて。撮影:©井川俊彦(2020.8.18)

見上げて3秒以内に「ベガアルタイルデネブっ!」

最初は夏の大三角と呼ばれる3つの星を、すぐに見つけられることを目指しましょう。こと座ベガ(織姫星)、わし座アルタイル(彦星)、はくちょう座デネブです。いずれも明るい1等星で、中でも1番明るいのがベガ。こと座の四角に並ぶ星、はくちょう座の十字に並ぶ星も目印になります。夏の大三角は
● 6月中旬...2:00
● 7月中旬...0:00
● 8月中旬...22:00
頃に天頂(真上)にくるので、この前後数時間は見やすくてオススメです。夜になったら毎日空を見上げて、すぐに「ベガ、アルタイル、デネブ」と指を指せるようになったら合格です。

はくちょう座の二重星、こと座の四重星

画像_はくちょう座のアルビレオ

<はくちょう座のアルビレオ>
撮影:©沼澤茂美(2016.08)

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<こと座のε星(ダブル・ダブル・スター)>
撮影:©沼澤茂美(2016.08)

天体望遠鏡(口径6〜8cmぐらいでも大丈夫!)がある人は、はくちょう座の二重星アルビレオと、こと座の四重星ダブル・ダブル・スターをぜひ見てみましょう。
アルビレオは白鳥のくちばしの星。肉眼では1つに見えますが、天体望遠鏡で見ると、黄金色と青色の2つの星であることがわかります。
こと座のベガの近くの星、ダブル・ダブル・スターは、肉眼では4等級くらいの1つの星に見えますが、双眼鏡では4.6等くらいの星が2つ仲良く寄り添っているように見えます。さらに天体望遠鏡(口径8cm以上)の高倍率で見ると、2つの星がさらに二連になっていて、四重星であることがわかります。

天の川がわかるようになろう!

天の川は数千億個の星が集まったもの。川のように細長く空に続いていて、肉眼では星の粒は見えず、雲のようにボワーッとして見えます。
天の川を見るには、とにかく街灯などの人工灯がなくて暗い空を見られる場所に行くこと。星図を参考に、位置を覚えておきましょう。
S字を描くさそり座の尻尾あたりから、夏の大三角のアルタイル(彦星)とベガ(織姫星)の間を通り、はくちょう座のデネブを通ってW形のカシオペヤ座へと続きます。初めて天の川を見るときは「あれかなぁ?」と自信がなくても、何度も見ているうちに、すぐに「あれだ!」とわかるようになりますよ。

夏といえばペルセウス座流星群

画像_ペルセウス座流星群の火球

<ペルセウス座流星群の明るい流星「火球」>
撮影:©井川俊彦(2023.8.14)

夏の恒例、三大流星群の1つであるペルセウス座流星群。2024年のピーク(極大)は8月12日22:00頃です。
流星群を見る時に気をつけるのは、月や街灯などの明かり。月が沈む時刻(※1)まで待つことと、できるだけ人工灯が少なくて、空が暗い場所へ行くことが大切です。
12〜13日未明には1時間あたり40個ぐらいの流れ星を見ることができるかもしれません。また火球と呼ばれるとびきり明るい流れ星が現れる可能性もありますよ。

オススメ

● 1位:8月12日21:00頃〜13日夜明け
● 2位:8月11日21:00頃〜12日夜明け
● 3位:8月13日21:00頃〜14日夜明けオススメ

※ 1...11日21:46 ⁄ 12日22:15 ⁄ 13日22:49(東京の場合)

8月15日未明に火星と木星が接近!

図_8月15日の火星と木星

<8月15日の火星と木星>
午前3:00頃。東京

夜明け前の空で木星(−2.2等)と火星(0.8等)が大接近しているように見えます。
2つの惑星は深夜0:00頃に東北東の地平線から顔を出し、仲良く並びながら高度を上げていきます。空が明るくなる直前が最も高度が高くて見やすく、天体望遠鏡を使うと、木星の縞模様や4つのかわいい衛星(ガリレオ衛星)も同時に見えて、なんとも楽しげな様子です。

おすすめ

モバイルポルタ-A70Lf

● 重さわずか4.9kg。どこでも気軽に持っていって天体観察を!
● フリーストップ、微動ハンドルなど、スムースな操作

光学形式:屈折式
架台形式:経緯台
対物レンズ有効径:70mm
焦点距離:900mm

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