Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

お花の魅力が倍増! 顕微鏡で植物鑑賞

あちらこちらできれいな花を見かける春。
その美しさにもう一歩踏み込んで、顕微鏡で花びらを観察してみましょう。
虫になった気分で、私たちを惹きつける鮮やかな色彩のミクロワールドへ突入!

画像:カーネーション

<カーネーション> グラデーション部分が特にきれい!(40倍)

なんで花はきれいな色をしているの?

植物にとって最も大切な使命は子孫を残すこと。多くの植物は、おしべの花粉をめしべにくっつけて“受粉”を行い、種子を作ります。
その受粉のお手伝いをしてくれるのが虫たちです。花は虫たちに「こっちに来て」とアピールし、その鮮やかな花の色に誘われた虫は、蜜を吸う時にめしべやおしべに触って受粉しているのです。
ちなみに紫外線は人間には見えませんが、虫には見えていて、蜜のある場所が紫外線によって強調されている花もあります。

観察の方法は簡単!

花びらが薄い場合は、そのままプレパラートに載せて水を一滴たらし、上からカバーグラスをかけて観察しましょう。
バラのように厚みのある花びらは、一部をカッターなどで切って、その断面から表皮をはぐようにして薄い切片を作り、乾燥しないように手早くカバーグラスをかぶせます。花びらをそのまま指で押し潰して、薄くして観察するという手もあります。花びらの細胞は意外と丈夫なので、この方法でうまくいくことも。

画像:カーネーション

カーネーション(100倍)

カーネーション

赤単色のカーネーション。花びらが厚めなので、表面を薄く剥がして観察しました。

画像:ガーベラ

ガーベラ(40倍)

ガーベラ

オレンジ色のガーベラ。表面を薄くはがして観察しました。少し細長の細胞が並んでいます。

画像:デルフィニウム

デルフィニウム(100倍)

デルフィニウム

花びらが薄いのでそのまま観察。細胞1つ1つにデルフィニジン(※1)と呼ばれる色素がつまっています。

画像:バラ(オレンジ)

バラ(オレンジ)(100倍)

バラ(オレンジ)

表面をはがして観察。オレンジ色のバラにはペラルゴニジン(※1)という色素が含まれています。

画像:バラ(赤)

バラ(赤)(100倍)

バラ(赤)

赤いバラにはシアニジン(※1)が細胞いっぱいにつまっています。

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画像:CM1000C

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