星空TOPICS☆2025年2月 月面Xと最大光度の金星

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2025.02.01

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月面X

今月の注目天文イベント1つ目は「月面X」です!
月面Xとは、上弦の月の一部分が「X」の形に見える現象です。天文ファンの間で注目されており、天体望遠鏡を用いた観察や撮影が楽しまれています。今回の月面Xは2月5日の18時頃をピークとして、20時頃まで見ることができる予想です。

月面Xの地点には、プールバッハ、ラ・カイユ、ブランキヌスというクレーターがあります。隣接するクレーターの外壁で「X」のような形が形成されており、太陽光の当たり具合により綺麗な「X」の形が浮かび上がるのです。今回の月面Xは20時30分頃まで見ることができますが、時間の経過で太陽光に照らされる部分が大きくなり、次第に「X」の模様が見えにくくなっていきます。月は止まることなく、常に地球の周りを周っているのだとわかりますね。

短時間での天文イベントのため、事前の観察準備が欠かせません!月面Xの観察には天体望遠鏡の準備が必須です。月面の様子がよくわかる倍率に設定する必要があるので、50倍〜100倍程度になるように天体望遠鏡を準備すると良いでしょう。観察に適した鏡筒と接眼レンズは、以下の表を参考に選んでみてください。

低倍率(30~70倍) 中倍率(70~140倍) 高倍率(140倍以上)
口径60㎜以下 月全体が見える 無数のクレーターや海の表面の形状が見える シーイング(※)の良い時にのみ使用する
口径80㎜ 月面全体がはっきり見える クレーターの状態や山ひだがはっきり見える 月面の1/2が視野いっぱいになる
口径100㎜ 同上 小クレーターの観察が可能 多くの裂け目や山々の詳細がわかる
口径150㎜以上 同上 小クレーターの詳細が観察可能 小さな起状および裂け目の詳細がわかる

対物レンズ有効径と倍率の関係による月の見え方(天体望遠鏡の選び方より)

(※)シーイング:気流の状態による天体の像の見え方のこと。シーイングが悪い(高いところの大気が乱れている)と像がゆらゆら揺れて十分な観測ができません。

月面X自体は上限の月を迎える度に発生していますが、白昼であったり月の入り後であったりとタイミングが悪く、良い条件で見ることができる機会は限られています。なんと2025年は月面Xの観測機会に恵まれており、今回の2月5日を含め全6回の観測機会があります!次回の月面Xは4月5日の夜に見ることができる予想です。

ぜひ天体望遠鏡の準備をして、月面Xの観察に挑戦してみてください!

最大光度の金星

注目の天文イベント2つ目は「最大光度の金星」です!
金星は地球の内側を周る惑星で、軌道上の位置によって明るさ(光度)が変わります。最も明るい最大光度となるのは今月15日で、その等級はなんと-4.9等!これは1等星の約200倍の明るさであり、最大光度を迎えた金星はひときわ明るく輝くことがわかります。

今の時期の金星は「宵の明星」と呼ばれ、日没前後の西の空で見ることができます。夕暮れ時に輝く金星はとても綺麗ですが、夜になると地平線に沈み、見えなくなってしまいます。これは金星が地球の内側を周る内惑星であるためです。今回の条件とは逆に、日出前後の東の空で金星を見ることができる時期もあります。その時の金星は「明けの明星」と呼ばれます。


金星は内惑星であるため、太陽、地球との位置関係により満ち欠けします。肉眼では点にしか見えない金星も、時期によっては三日月型をしていることがあるのです。今回、最大光度を迎える金星は左側が欠けた三日月型をしています。肉眼でも十分楽しむことができますが、天体望遠鏡を使って満ち欠けの様子を観察するのも面白いですね!

下図に示すように、太陽と地球、内惑星の位置関係には名前があります。東方(または西方)最大離角とは、太陽ー内惑星ー地球の作る角がちょうど90度になるときであり、この時の金星は半月型となります。太陽に照らされる面積が大きいため、とても明るく見やすいです。しかし、金星が最大光度を迎えるのは最大離角の時ではなく、太陽ー内惑星ー地球の作る角が約40度になる時なのです。この時の金星は地球との距離と太陽に照らされる面積の大きさのバランスが良いため、最大光度となります。

今年4月27日には、再び金星が最大光度(-4.8等)になります。明け方の東の空に見られる「明けの明星」であるため、今回とはまた違った金星の様子を楽しむことができますよ!

それでは、また来月の星空TOPICSでお会いしましょう!

参考:「金星が最大光度(2025年2月)」国立天文台(https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/02-topics03.html

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