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2025.04.01
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今月の注目天文イベント1つ目は「最小の満月」です!今月13日に迎える満月は地球から最も距離が遠く、見かけの大きさが最も小さくなります。
月は地球の周りを約27.3日の周期で公転する衛星です。その公転軌道は楕円型であるため、軌道上の位置によって地球との距離(地心距離)が変化し、見かけの大きさが変わります。また、月は軌道上の位置によって太陽光の当たり具合が変化するため、約29.5日(※)の周期で満ち欠けします。満月のタイミングにおいて、月と地球の距離を考えてみると、下図のように周期的な変化が見られます。公転周期と満ち欠けの周期が異なること、また月の軌道が天体の重力を受けて変化することにより、満月のたびに距離が異なることがわかります。
今回のように満月のタイミングで地球との距離が最も遠いとき、最小の満月となります。逆に、満月のタイミングで地球との距離が最も近いとき、「スーパームーン」と呼ばれる最大の満月となります。最小の満月は「マイクロムーン」と呼ばれることもあるようです。
最小の満月がどの程度の大きさなのか、2025年11月5日に迎える最大の満月と比較してみました。今回の最小の満月は視直径(見かけの大きさ)が約29分25秒角である一方、11月の最大の満月の視直径は約33分28秒角です。満月が最小のときと最大のときで視直径が約12%も変化することがわかります。
このように、最小時と最大時を比較すると大きさの違いがわかりますが、実際に肉眼で見たときに違いがはっきりわかるほどではありません。天体望遠鏡やカメラを用いて、最大時と最小時に同じ倍率で観察、撮影を行うと大きさの違いがわかりやすいかもしれません。月全体を見る場合の天体望遠鏡の倍率は30〜70倍程度がおすすめです。ぜひ、一年に一度の最小の満月をお楽しみください!
※月が地球の周りを公転すると同時に地球は太陽の周りを公転しているため、月の満ち欠けの周期は公転周期に比べて約2日長くなることが知られています。
今月の注目イベント2つ目は「西方最大離角の水星」です!今月22日に水星が西方最大離角の位置になります。
水星は地球の内側を公転する内惑星です。そのため、夜間に観測することはできず、明け方の東の空または夕方の西の空でのみ観測することができます。また、水星は太陽系の惑星の中でも最も太陽に近い軌道を回っているため、太陽との見かけの位置が大きく離れることがなく、より観測の条件が限られてしまいます。
このように観測が難しい水星は、太陽と水星の見かけの距離が最も離れる最大離角のときが観測チャンスです!今回は明け方の東の空で見ることができる西方最大離角ですが、夕方の西の空で見ることができる東方最大離角のときも観測可能です。内惑星の最大離角について、詳しくは星空TOPICS☆2025年2月をご覧ください。
水星の公転周期は約88日であるため、地球の一年間に数回、最大離角のタイミングがあります。観測のチャンスは今後もありますが、今回迎える西方最大離角はなんと2025年に迎える水星の最大離角の中で最も角度が大きいのです!水星や地球の公転軌道が楕円型であること、水星の公転軌道が少し傾いていることにより、最大離角の大きさは毎回異なります。最も離角が大きく、太陽と水星の距離が離れる今回の機会はとても良い観測チャンスの一つです!
今回の水星は明け方の東の空で、日の出の約1時間前から見ることができます。上図は東京における日の出の約30分前の空です。明るさは0.4等級であり、肉眼でも観測可能です。しかし、高度が低く観測しにくいため、見晴らしの良い場所での観測がおすすめです。天体望遠鏡を用いて観測すると、半月型に欠けている様子を楽しむこともできますよ!
また、近くに金星や土星が輝いているため、目印にすると水星を探しやすいです。この時期の金星は27日の最大光度にむけて特に明るく輝き、土星は環の消失を迎えています。この機会にぜひ、早起きをして観測してみてはいかがでしょうか?観測の際は太陽を見ないようご注意ください。
最大光度の金星、土星の環の消失について、詳しくは2月、3月の星空TOPICSをご覧ください。
星空TOPICS☆2025年2月 月面Xと最大光度の金星
星空TOPICS☆2025年3月 プレアデス星団食と土星の環の消失
それでは、また来月の星空TOPICSでお会いしましょう!
参考:「最遠の満月(2025年4月)」国立天文台(https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/04-topics02.html)
「満ち欠けの周期」国立天文台(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B7EEA4CECBFEA4C1B7E7A4B12FBCFEB4FC.html)
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