Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

ここはエネルギー製造工場!?
ツバキの葉をよーく見てみよう

空気と水と太陽の光さえあれば生きていけるなんて、植物はすごい!
それは自ら養分を産み出す「光合成」のおかげですが、その光合成が行われるのは「葉」。
あの薄っぺらい構造の中でいかに生産力をあげるか、まるで工夫の詰まった工場とも言える葉の中を顕微鏡でのぞいてみましょう!

画像「ツバキの葉の断面」

<ツバキの葉の断面>(200倍)

ツバキの葉を薄ーく切る

画像「ツバキの葉」

ツバキの葉

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この観察に向くのは、厚みがあって、写真のようにスライスしやすい葉。今回はツバキと、赤い色をした葉、カナメモチ類(レッドロビンなど)を観察しました。葉を2、3枚重ねて写真のようにカミソリでスライスし、水につけておきます。ピスという道具を使って切る方法もあります。たくさんスライスしてみて、うまく薄く切れたものを選んでスライドグラスに載せ、上にカバーグラスをかけて観察します。

!カミソリを使うときは大人と一緒に。けがをしないように十分注意してください。

ツバキの葉の断面

画像「ツバキの葉の断面」

(200倍)

クチクラ層

表面のツヤツヤしている部分で、主な成分は脂質。乾燥・紫外線・病原菌などから葉を守っています。すぐ下には表皮細胞があります。

さく状組織

ここでは細胞を整然と並ばせることで、光の吸収の効率をUP。同時に通過もしやすく、その下の海綿状組織へも光を届かせています。

葉緑素

葉全体に見える緑色の部分。太陽の光エネルギーを養分に変える「光合成」で重要な役割を果たします。

海綿状組織

細胞の形はバラバラ。隙間が生まれることでそこにある空気が光を反射・屈折させ、光を四方八方に届けます。

気孔

換気は葉の裏側で。開閉タイプの穴(気孔)をたくさん設け、ここから二酸化炭素と酸素の交換を行っています。海綿状組織に隙間があるおかげで、二酸化炭素と酸素がスムースに行き来します。

赤い葉も見てみよう

画像「カナメモチ類の葉の断面」

<カナメモチ類の葉の断面>(200倍)

紅葉しているカナメモチ類の葉には、アントシアニン類の色素が含まれています。葉の表(太陽に向いている面)に多く見当たり、サングラスのような役目を果たして、有害な紫外線から葉っぱを守っています。

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