ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー

天体望遠鏡の基本を学ぼう!

まだ天体望遠鏡を触ったことのない人でもわかる!
天体望遠鏡の基本と選び方を、超ビギナー目線で説明します。

3時間め » ちょうどいい倍率

天体望遠鏡で星を見るとき「倍率をXX倍ぐらいにして……」という説明をよく見かけます。
この天体望遠鏡の倍率というのは鏡筒の接眼レンズ(=アイピース)を交換することで変えられます
ただし何倍になるのかは、鏡筒にも接眼レンズにも書いてありません。
鏡筒の方の対物レンズ(主鏡)の焦点距離と、接眼レンズの方の焦点距離、この2つの数値の組み合わせで導き出されるからです。

<対物レンズの焦点距離>
鏡筒のどこかに「f=XXXmm」などと書いてあれば、これが鏡筒の対物レンズ(主鏡)の焦点距離です。取扱説明書やカタログにも表記されています。

<接眼レンズの焦点距離>
大抵、レンズに数値が大きく書いてあります。

「倍率=対物レンズ(主鏡)の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離」
これが倍率の計算式。
このページ下の写真のポルタII A80Mfの対物レンズ焦点距離は910mm。
これに焦点距離20mmの接眼レンズをつければ、倍率は910÷20で45.5倍。
6.3mmの接眼レンズをつければ約144倍になるわけです。
同じ鏡筒であれば、より数値の小さいレンズに交換すると倍率は逆に大きくなるのです。

<対物レンズの有効径と焦点距離>
屈折式鏡筒をモデルとしています。

惑星を見ていたりすると、どんどん倍率を上げて見てみたいと思うかもしれませんが、鏡筒にはそれぞれ適正倍率というものがあり、それをオーバーするとかえってボヤけてしまいます。
適正倍率の限度は対物レンズ(主鏡)の有効径から計算できます。
「適正倍率の限度=対物レンズ(主鏡)有効径×2程度」
ポルタⅡ A80Mfの対物レンズ有効径は80mm。
ですから80×2=160で、160倍ぐらいまでが適正倍率。
前述の倍率の計算式を用いると
「倍率160=対物レンズ焦点距離910÷接眼レンズ焦点距離X」で「X≒5.7
つまりこの鏡筒に使う接眼レンズの焦点距離は、短くても5.7mmぐらいまでが良いということです。

※ 適正倍率はあくまでも目安で、レンズの性能によってはもっと倍率を上げても良く見えるものもあります

天体望遠鏡 ポルタII A80Mf
光学系式
屈折式
架台形式
経緯台
対物レンズ有効径
80mm
焦点距離
910mm

グラグラしない、しっかりとした三脚。これは天体をちゃんと見るための最初の1歩。
バランスを維持しやすい設計や、後々、鏡筒を買い替えてグレードアップできるなど、“スタンダードな1台に欠かせない要素”を設計者が考え抜き、めいいっぱい盛り込んだ天体望遠鏡が「ポルタII」シリーズです。
接眼レンズは最初から2本付属していて、2種類の倍率で観察できます。

詳細はこちら
接眼レンズ SLV シリーズ
焦点距離
2.5、4、5、6、9、10、12、15、20、25mm
差込径
31.7mm
見掛視界
50度
アイレリーフ
20mm

焦点距離は2.5mmから25mmまでの10種類。
接眼レンズの差込径が31.7mmの鏡筒であれば、使用できます。
レンズ素材に高級ランタン系ガラスを使用し、レンズのコーテイングにはフーリーマルチコートを採用。
天体望遠鏡に付属している接眼レンズにまずは1本、買い足してみてください。
見える世界が変わります。

詳細はこちら