ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー
まだ天体望遠鏡を触ったことのない人でもわかる!
天体望遠鏡の基本と選び方を、超ビギナー目線で説明します。
2時間め » 屈折式[くっせつしき]と反射式[はんしゃしき]
7時間め » 接眼レンズ(アイピース)
天体望遠鏡は2か所のレンズ(もしくは鏡)が性能を決める大きな役割を担っています。
1つは対物レンズ(主鏡)、もう1つは接眼レンズ(=アイピース)。
対物レンズ(主鏡)は鏡筒の中に固定されていますが、接眼レンズは簡単に付け替えることができ、天体望遠鏡のクオリティを上げるために、接眼レンズだけを買い足すことがあります。
<対物レンズと接眼レンズ>
屈折式鏡筒の場合。
接眼レンズのスペックを表す数値は主に
●焦点距離
●差込(スリーブ)径
●見掛視界
があります。
焦点距離は倍率に関係があり、
倍率=対物レンズ(主鏡)の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離
で計算することができ、同じ鏡筒であれば接眼レンズの焦点距離が短いほど高い倍率が得られます(※)。
差込径は鏡筒に接眼レンズを差す部分の直径。
どのメーカーの天体望遠鏡でもほとんど24.5mm、31.7mm、50.8mm(=2インチ)の3種類に分かれていて、現在では31.7mmが主流となっています。
見掛視界は一度にどれだけ広い範囲が見られるかを示す数値で、42度、50度のような度数で表します。
星雲・星団などを見たいときにはこの見掛視界の広いタイプを選んだり、倍率を低くして見ます。
さらに接眼レンズの性能の高さや特性を左右する重要なスペックが、構造とコーティングです。
接眼レンズの中にはレンズが1枚、2枚、あるいは3枚以上入っていて、それぞれのレンズについても、もともと1枚のものと複数のレンズを貼り合わせて1枚にしているものがあります。
接眼レンズの説明文に「2群4枚」と書かれていたら、それはもともと4枚だったレンズを貼り合わせて2枚のレンズにし、中に入っていることを表します。
この、どのようなレンズをどのように組み合わせるかという技術が、色を忠実に伝えられるか、視界の端でゆがみが生じないかなどのクオリティに影響するのです。
またレンズに施すコーティングには、光を無駄なく通過させるなどの効果があり、質の高いコーティングほど明るくハッキリと見えます。
接眼レンズの価格は安いものと高いものでは10倍以上の差があります。
これは主に構造やコーティングの技術、その開発にかかる費用などの違いがあるためで、やはり高いものは高いなりに良く見えるものです。
ただし広範囲の星雲・星団が見たいのか、星の色の違いを楽しみたいのかなど、見たい天体によっても選び方は変わってくるので、カタログなどの説明をよく読んで特性を理解しましょう。
※…鏡筒にはそれぞれ目安とする適正倍率があり、それを超える倍率はかえって見づらいことがあります。
焦点距離は2.5mmから25mmまでの10種類。
接眼レンズの差込径が31.7mmの鏡筒であれば、使用できます。
レンズ素材に高級ランタン系ガラスを使用し、レンズのコーテイングにはフーリーマルチコートを採用。
天体望遠鏡に付属している接眼レンズにまずは1本、買い足してみてください。
見える世界が変わります。