小さなコケの世界を旅しよう

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コケのくらし

  • マルチモノキュラー 4×12

    コケってこんな生きもの

    コケは根を持たないため、水分は体全体から直に取り込みます。乾燥すると休眠状態となり、雨や霧、朝露などの水分で復活し、光合成をはじめます。繁殖パターンには「有性生殖」と「無性生殖(栄養繁殖)」があります。配偶体(n)は有性世代で雌株(造卵器)と雄株(造精器)があります。受精には水が必要で、精子(n)は泳いで卵(n)に達して受精します。受精卵(2n)は雌の配偶体上(造卵器)の中で成長し、胞子体(無性世代)となります。蒴の中で減数分裂が起こり、胞子(n)が作られ、散布後に発芽して原糸体(n)となります。やがて芽が生じ、配偶体(n)となります。一方、クローン繁殖である無性生殖では無性芽などの植物体の一部からまた、茎や葉の一部が脱落し、そこから新しい個体ができることもあります。

有性生殖

  • コケの芽

    糸状の原糸体は枝分かれしながら発達し、ところどころに芽をつけます。

  • 雄株・雌株

    芽は成長をして雄株もしくは雌株に成長します。

  • 受精

    成長した雄株には造精器、雌株には造卵器ができます。雄株は造精器から精子を出し、雨などの水分の中を泳いで、造卵器に達します。

  • 胞子体

    雌株で受精した受精卵は成長をして胞子体をつくります。胞子体は帽をかぶった状態で、成長し、帽に包まれた蒴の中で胞子を成熟させます。

  • 配偶体

    胞子体は雌株の配偶体でしか育つことができません。

  • 散布

    胞子が熟すと胞子嚢(ほうしのう)の蓋が外れ、蒴歯(さくし)が開き、胞子が散布されます。

  • 原糸体

    適した環境に散布された胞子は原糸体となって、あたらしい芽をつけ成長します。

  • 有性生殖

    有性生殖は、種子植物の増え方と似ています。雄株・雌株をおしべとめしべに、精子は花粉といったように種子植物の繁殖パターンに置き換えると馴染みやすくなるでしょう。種子植物が風や昆虫を使って受粉をしますが、コケは受精に水分が必要不可欠です。雨や露など水分の中を泳いで雌株の造卵器に移動して、ちいさなコケのからだの中に、次の世代のコケの胞子を作るのです。

無性生殖

  • コケの芽

    糸状の原糸体は枝分かれしながら発達し、ところどころに芽をつけます。

  • 雄株・雌株

    成長したコケの体の一部が地上に接したり、茎や葉の一部が取れて、そこから新しいコケが成長していきます。そこから新しい配偶体が出来ることもあります。

  • 成長

    コケはからだの一部からクローンを作ることが出来るのです。

  • 無性生殖

    コケは根を持たない植物で、からだから水分を吸収し、光合成します。コケはからだの一部が取れても、からだから必要な養分を吸収するので、そこからまた成長をして、新しい植物体に成長します。十分な水がなく、胞子で増えることができなくても、クローンで増やすことが出来るたくましい繁殖力を持っています。

イラスト協力:
奥入瀬自然観光資源研究会(おいけん)

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